2017年にリリースされた欅坂46の5枚目シングル『風に吹かれて』は、過去の同名名曲たちとは全く異なるアプローチで話題を呼びました。黒のスーチングスタイルに身を包み、軽快な口笛のイントロとアップテンポなディスコチューンに乗せて踊る姿は、当時のアイドル界において異色の存在感を放ちました。
秋元康氏による歌詞の世界観は、「愛や絆に執着せず、風に吹かれるように軽やかに生きていく」というドライな刹那主義を描いています。これは、ディランの「正義への問いかけ」やエレカシの「泥臭い人生への肯定」とは対照的であり、SNS時代の人間関係の希薄さや割り切れない感情を巧みにすくい取ったものとして批評家からも高く評価されました。
フォーク、ロック、ポップスとジャンルは違えど、どの作品も「風」という目に見えない時代の気流に身を置きながら、人間がどう振る舞うべきかを模索している点において、奇妙な共鳴を見せています。