「髪質改善」という名称は、実は厚生労働省や法的な定義が存在する単語ではない。ここが最大の盲点だ。サロンごとに薬剤も工程も全く異なるメニューが同じ名前で提供されているのが実情である。還元剤を用いて髪のシスチン結合を切断・再結合させる事実上の弱めの縮毛矯正から、グリオキシル酸などを加熱固化させる酸熱トリートメント、さらには活性酸素を除去して水分量を高める水素トリートメントまで、多種多様な技術がひと括りにされている。
業界裏話として明かすと、顧客の毛髪強度や熱履歴を見極めずに高強度の酸熱ケアを繰り返した結果、過度の脱水反応で髪が「炭化」し、ゴワつきを引き起こすケースが頻発した。流行に飛びついた一部の店舗が十分な知識なしに施術を乱発したツケが、利用者のダメージとして表れているのだ。失敗を防ぐ第一歩は、サロンが提示するメニューが「髪の内部結合を変える化学施術」なのか「水分と栄養を充填するケア施術」なのかを正しく見極めることにある。