インターネット上の掲示板やSNSでは、長年にわたり「貴乃花の本当の父親は輪島大士ではないか」という突拍子もない噂が囁かれることがありました。結論から言えば、この血縁関係の噂は完全な事実無根のデマです。貴乃花の実父は、まぎれもなく「角界のプリンス」と称された初代貴ノ花(花田満)です。
火のない所に煙は立たないと言われますが、なぜこのような噂が一人歩きしてしまったのでしょうか。最大の要因は、二人の顔立ちや骨格が驚くほど似ていたことにあります。切れ長の鋭い眼光、高い鼻梁、精悍で彫りの深い顔立ち、そして筋骨隆々とした均整の取れた体躯など、昭和と平成を代表する二人の大横綱には共通するビジュアル的特徴が多く見られました。
さらに、初代貴ノ花と輪島が家族同然の深い付き合いをしていたことから、輪島が頻繁に花田家を訪れ、幼い光司少年(貴乃花)を我が子のように抱き上げて可愛がっていた様子が広く知られていたことも、後年の憶測を呼ぶ土壌となりました。土俵の鬼と呼ばれた初代若乃花(花田勝治)を伯父に持ち、父・初代貴ノ花の血を引く貴乃花ですが、その佇まいには親友・輪島から受け継いだ無意識のダンディズムが色濃く反映されていたと言えます。