メガホンをとった岩井俊二監督は、本作の制作にあたり前代未聞の手法を取り入れた。監督自身が実際にインターネット上に架空の掲示板を開設し、そこに集まった一般ユーザーたちの書き込みをリアルタイムで物語に取り込んでいったのだ。サイバー空間における匿名の対話とリアルな現実が交錯する構造は、こうして誕生した。
また、当時の最新鋭デジタルカメラを駆使して撮影された映像の質感は、のちの邦画業界に計り知れない影響を与えた。従来の青春映画という枠組みを軽々と打ち破り、美と醜、光と影を極限まで対比させた撮影手法は、今なお語り継がれる伝説的なエピソードとなっている。