「収まる場所があれば、そこに入る」。猫好きの間で知られるこの鉄則は、単なるジョークではない。専門家によれば、猫がかごや箱などの囲まれた空間を好む最大の理由は、野生時代のアナグマや木穴での生活の名残りだという。背後や周囲が適度に守られている状態は、外敵からの視線を完全に遮断し、捕食者としての警戒心を最小限に抑えられる最高の環境なのだ。
さらに興味深いのは、近年の動物心理学が明かしたデータだ。身体の側面に一定の心地よい圧力を受けることで、猫の脳内ではリラックス物質であるセロトニンの分泌が促進されることが分かってきた。つまり、ジャストサイズのかごに入っている時の猫は、私たちが重圧感のある上質な毛布に包まれた時に感じるような、包摂的な安心感に包まれている。あの蕩けたような表情は、生理的な快感のあらわれに他ならない。