これほど劇的で背筋の凍るやり取りが繰り広げられることから、ネット上では定期的に「テレフォン人生相談 やらせ 真相」という疑惑が浮上します。「劇団員を雇っているのではないか」「あらかじめ作られた台本があるのではないか」という疑念です。
しかし、番組制作の現場を知る関係者の証言や長年の放送記録を検証すると、劇団員や台本による演出という説は完全に否定されます。番組では、事前にディレクターが相談希望者から詳細な聞き取りを行い、事実関係や相談の論点を綿密に整理するスクリーニングを実施しています。ここまでは通常の情報整理のプロセスです。
真のドラマが生まれるのは、スタジオで回答者と相談者が生電話で接続された後です。回答者たちには事前資料として相談者の大まかなプロフィールや相談骨子のみが渡されており、相談者がマイクの前でどのような感情を露わにするかは完全に予測不可能です。むしろ、事前にディレクターへ話していた内容と、実際にパーソナリティの前で口にする内容が食い違うケースが日常茶飯事となっています。
相談者は無意識のうちに自分を正当化しようと言葉を選びますが、大原敬子氏や加藤諦三氏のような心理のプロは、声のトーン、独特の間、話の辻褄の合わなさから、相談者自身も自覚していない無意識の防衛機制を即座に感知します。作られた台本では絶対に再現できない生々しい感情の軋みや言葉の詰まりこそが、台本なしの完全なる真実である証左といえます。