愛鳥家のコミュニティやSNS上で頻繁に交わされる「あず小鳥の診療所は予約が取れない理由とは何か」という疑問。この噂を現場データと獣医療の需給構造から紐解くと、単なる混雑にとどまらない構造的な要因が浮き彫りになります。
第一の要因は、首都圏全体における圧倒的な「鳥類専門獣医師」の不足です。犬や猫を診療する施設が全国に1万軒以上存在するのに対し、鳥類や小型エキゾチックアニマルの高度な内科・外科治療に対応できる病院はごくわずかしかありません。埼玉県内のみならず、東京都北部や千葉県西部、群馬県など隣接エリアからも重症個体やセカンドオピニオンを求める患者が殺到するため、常にキャパシティの上限に達しています。
第二に、病院側が医療事故を防ぎ、1羽ずつ丁寧な処置を行うために完全予約制を厳格に運用している点です。同院の受付時間は午前が9:00〜11:30、午後が16:00〜18:30(火曜全休、木曜・祝日は午後休診)に設定されており、診察室での過密状態を回避するため1日の受診枠があらかじめ厳密にコントロールされています。
特に「初診受付」においては、問診や過去の飼育環境、排泄物の状態などをゼロから把握する必要があるため、再診よりも長い枠が割り当てられます。突発的な体調悪化で当日予約を試みても枠が埋まっているケースが多く、これが「予約困難」という風評を生み出す主因となっています。計画的な健康診断であれば数週間前からの問い合わせで枠を確保できるものの、緊急受診の受け皿としてはハードルが高いのが現実です。