高額化する市場の陰で、偽造技術もまた高度化している。筆跡のコピーだけでなく、経年劣化を人工的に再現した悪質なケースまで登場した。そこで不可欠となるのが、第三者機関による科学的な真贋鑑定だ。
現在、世界の収集家から最も厚い信頼を寄せられているのが、PSA/DNA Certification Servicesをはじめとする米国の二大鑑定機関だ。彼らはインクの成分分析、筆圧や筆順の解析、過去の膨大なデータベースとの照合を徹底して行う。鑑定を通過したボールには、改ざん防止処理が施されたホログラムシールが貼られ、固有のシリアルナンバーが発行される。このシリアルコードがデータベースと一致して初めて、そのボールは市場で「本物」としての満額の価値を認められるのだ。