今回の捜査当局による踏み込みは、決して突発的な出来事ではない。数ヶ月前から綿密に組み立てられていた暗闘の末の行動だ。渦中の人物が関与したとされる不透明な資金の流れ、そして暗号化されたSNSを通じて交わされた不自然なやり取り。捜査当局は事態が動く「決定的な瞬間」を静かに狙っていた。
現場となった拠点には、朝6時過ぎに十数名の捜査員が到着。インターホンを鳴らし、身分証と裁判所の差し押さえ許可状を提示すると、室内の緊張感は頂点に達した。関係者が唖然とする中、手際よくPCやスマートフォン、厳重に保管されていた金庫内の書類が確認されていく。独自取材で得た証言によると、室内にいた容疑者は捜査員の提示した令状を前に言葉を失い、ただうなだれるばかりだったという。