爪の表面に沿って根元から先端へ走る細い筋は、医学的に「爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)」と呼ばれます。成人の爪は根元にある「爪母(そうぼ)」という組織で作られ、約半年から1年かけて先端へと押し出されますが、この爪母の働きに乱れが生じると均一な厚みを保てなくなり、縦方向の溝やスジとして現れる仕組みです。
爪の縦線が発生する最も一般的な要因は加齢(エイジング)と乾燥です。皮膚にシワができるのと全く同じ原理で、年齢を重ねるにつれて爪母の細胞分裂が衰え、爪の水分保持能力が低下します。一般的には40代以降から徐々に目立ち始める自然な生理現象であり、透明や薄い白色の均一なスジであれば健康上の大きな害はありません。
しかし、除光液の多用や頻繁な手洗い、冬場の外気による水分蒸発もこの爪甲縦条を急激に悪化させます。爪の水分量が理想的な12〜15%を下回ると、柔軟性が失われて硬化し、スジの陰影やデコボコが一段と深くなります。