日本中を暗澹たる気持ちにさせた座間9人殺害事件から時が過ぎ、2026年現在の取材で浮かび上がってきたのは、徹底的に気配を消してひっそりと生きる家族の姿だ。事件現場となったアパートや実家がある地域から離れ、父親や妹は氏名を変更したうえで、過去を知る者がいない遠方の地方都市へ転居したとされる。
「普通に暮らす」ことの難しさは想像を絶する。就労時の身元調査や賃貸契約、あるいは行政手続きなどに伴う「旧姓」の追跡リスクと隣り合わせの日常だ。社会的な孤立を選ばざるを得ず、近隣住民との交流も最低限に留めながら、過去の影におびえる生活が今も続いている。