今でこそ華やかな光を浴びる彼女だが、ここに至る道筋は決して平坦ではなかった。日本エンターテインメント協会が主催するワークショップに通っていた初期、いくつものオーディションに落ち続け、役者を諦めかけた瞬間があったという。「当時は自分の表現が何なのか、まったく分からなくなっていました」。
厳しさとプレッシャーが渦巻く芸能界の渦中で、彼女を支えたのは深夜の小劇場での地道な稽古だった。スポットライトの当たらない場所で磨かれた感情表現の振れ幅こそが、現在の揺るぎない演技力の原動力となっている。これまで一部の関係者にしか知られていなかったこの苦闘の時期について、本人は「あの孤独な時間があったからこそ、今の自分がいる」と穏やかに微笑む。