麺堂稲葉を語る上で避けて通れないのが、店主・稲葉友紀氏によるB'zへの深い愛情です。店名自体がB'zのボーカリスト・稲葉浩志氏と同姓であることに加え、店舗の内外装やオペレーションに至るまでリスペクトが徹底されています。店内には歴代のツアータオルや直筆サイン、ポスター、精巧なツアートラックのミニチュアが所狭しと飾られ、BGMにはB'zの楽曲がノンストップで流れています。
B'zの全国ツアーや記念イベントが開催される時期になると、全国各地のファンがライブ参戦の道中に「聖地巡礼」として古河本店や久喜店を訪れます。店主やスタッフが温かくファンを迎え入れるアットホームな空気感も相まって、単なる飲食店を超えたファンコミュニティの交差点として機能しています。
しかし、同店がこれほどの支持を長年維持している根本的な要因は、決して話題性や演出だけに依存していない点にあります。「どれだけ内装にこだわりがあろうと、提供するラーメンそのものが超一級でなければ客は二度と来ない」という店主の職人哲学が根底に存在し、味の追求を妥協しなかったからこそ、一般のラーメン愛好家と音楽ファンの双方が深く納得する稀有な名店へと昇華したのです。