和菓子業界に鮮烈なパラダイムシフトをもたらした「タケノとおはぎ」。その象徴ともいえるのが、白あんに天然色素や季節の果実、ハーブ、スパイスを練り込み、花びら一枚一枚を絞り出した芸術的なビジュアルです。ショーケースに整然と並ぶ姿は、スイーツの枠を超えて現代アートのインスタレーションのような完成度を誇ります。
仕掛け人であるオーナーの小川寛貴氏は、元々フレンチやデリカテッセンの飲食業界でキャリアを積んだ異色の経歴を持ちます。店名は、幼少期に手作りのおはぎを振る舞ってくれた祖母・タケノさんの名前に由来しています。小川氏が目指したのは、単なるノスタルジーの再現ではなく、「お惣菜のように日々の食卓を彩り、ワインや日本酒ともペアリングできる新しいおはぎの再定義」でした。
一般的な和菓子店が定番商品を年間通して均一に並べるのに対し、同店では毎日並ぶ日替わりメニューが最大の特徴となっています。ナッツの食感、柑橘の酸味、エキゾチックなスパイスの薫香が計算し尽くされた設計は、一口ごとに驚きを与え、「昨日の味とは違う今日だけの体験」を求めてリピーターが後を絶ちません。