クローザーというポジションは、精神的な摩耗が激しい。わずか1球のミスが敗戦に直結し、シーズンの流れすら変えてしまう極限のストレス下でプレイしなければならないからだ。
しかし、彼の表情がマウンド上で崩れることは滅多にない。ランナーを背負う場面であっても、ギアを一つ上げてさらに力強いストレートをキャッチャーの構え通りに投げ込む。失点を許さないという冷徹なまでのゲームメイク能力は、相手チームに「9回に入ったら勝ち目がない」と思わせる心理的敗北感を植え付ける。
走者を出しても併殺や三振でいとも簡単に切って取る度胸と判断力。データ上の数字以上に、この「絶望感の演出」こそが彼の真の恐ろしさと言えるだろう。