多くの人々に親しまれた新宿アドホックビルが営業終了へと舵を切った最大の要因は、竣工から50年以上が経過した建物の深刻な老朽化です。1970年代初頭に建設された同ビルは、昭和の高度経済成長期からバブル期、平成の消費ブームを駆け抜けてきましたが、近年の耐震基準の厳格化や設備更新の限界に直面していました。
さらに、新宿駅周辺で東京都と新宿区が主導する「新宿グランドターミナル構想」の進展が、閉館の決定打となりました。駅周辺の老朽ビルを順次解体・統合し、歩行者デッキや広場、高層複合ビルへと生まれ変わらせる都市計画が本格化したことで、ビルの維持補修を続けるよりも、抜本的な敷地再編を行う経営判断が下されたという経緯があります。