多くの鉄道会社が熾烈な競合を繰り広げる首都圏において、相模鉄道の存在感を一気に高めたのは、単なる物理的な路線の延伸だけではない。利用者が最も身近に接する「人」の視覚的印象、すなわちユニフォームデザインを起点とした広報・ブランディング戦略が大きな波及効果を生み出した。
相鉄・JR直通線および相鉄・東急直通線の全面開通によって、相鉄の車両と社員は渋谷、新宿、目黒といった都心の一等地へと日常的に顔を出すようになった。そうした大舞台において「スタイリッシュで信頼できる鉄道会社」という鮮明な記憶を乗客の心に焼き付けること。新しい装いは、経営戦略と表裏一体となった強力なブランド資産として機能しているのだ。