明治時代、日本の山々の美しさを海外へ広く伝えた英国人宣教師ウォルター・ウエストン。彼が歩いた中部山岳国立公園のエリアには、今も手つかずの豊かな自然環境が大切に守られている。標高3,026メートルを誇る名峰・乗鞍岳を仰ぎ見るこの土地は、高山植物の群生地としても知られ、初夏から秋にかけて可憐な花々が咲き誇る。
朝もやに包まれた散策路を歩けば、小鳥のさえずりと風に揺れる葉の音だけが聞こえてくる。人工的な物音が一切遮断された空間で味わう深呼吸は、細胞の一つひとつが生き返るかのような感覚をもたらす。かつてウエストンが魅了された景色は、時代を超えて現代のハイカーや旅行者にも深い感動を与え続けている。