結成直後から国際舞台で鮮烈な結果を残し、ファンの間で絶大な支持を得ていた「はるすみペア」ですが、2026年4月に突如として解散が発表されました。当時、ネット上では「不仲説」や「アクシデント」など根拠のない憶測も飛び交いましたが、実際の要因は極めて構造的かつ戦略的なものでした。
理由1:ISU(国際スケート連盟)の年齢制限ルール改定問題
最大の要因は、国際大会における年齢規定の壁です。森口澄士(2001年生まれ)がシニア規定を満たす年齢に達していた一方、村上遥奈(2008年生まれ)は当時14歳。ISUのシニア移行年齢引き上げに伴い、「森口がジュニアに出られない一方、村上がシニアに出られない」という空白期間が複数年にわたり生じる事態に直面しました。国際舞台での実戦経験が絶たれるリスクは、成長期のアスリートにとって致命的でした。
理由2:シングルとペアの「二刀流」による過密日程と身体的負担
村上遥奈と森口澄士は、国内でも極めて珍しい「シングルとペアの二刀流」を実践していました。しかし、双方のカテゴリーで全日本ジュニアや全日本選手権に出場することは、通常の倍以上のスタミナと練習時間を要します。特に成長期にある村上選手の身体への負荷、怪我のリスク管理は指導陣にとっても最重要課題でした。
理由3:個々のスケーターとしての将来とキャリアの最大化
木下アカデミー関係者や公式発表でも触れられた通り、ふたりが目指す長期的な競技プランを協議した結果、お互いの強みを最大限に活かすための「発展的解消」が選択されました。森口選手は後に長岡柚奈選手と新ペア「ゆなすみ」を結成しシニアペアへ進出。村上選手は自らのシングル技術を極める道へ進むという、互いの未来を尊重した決断でした。