この体験は個人の部屋を飛び出し、新たなサードプレイスの過ごし方としても浸透している。都市部のブックカフェや静かなコワーキングスペースでは、週末になると「スクラッチ・ナイト」などのワークショップが開催され、満席状態が続いている。
おもしろいのは、参加者同士がほとんど会話を交わさない点だ。各自が静かに自分のシートに向き合い、黙々とペンを動かす。しかし、空間全体に漂う静寂とカリカリという削り音の一体感が、不思議な連帯感を生み出している。「会話を強制されない心地よい共有空間」として、一人旅や一人カフェを好む若い世代を中心に新しいスタイルの交流の場となっている。