昭和から平成にかけて、学園ドラマにおける家庭訪問は、生徒の葛藤を解き明かす舞台装置として不可欠だった。『3年B組金八先生』では、教員が狭い茶の間に上がり込み、保護者と激論を交わしながら絆を結び直す姿が定番として描かれた。あるいは『家族ゲーム』のように、家庭の歪みを暴き出す不穏なトリガーとして機能したこともある。
しかし、NetflixやAmazon Prime Videoで往年の名作を視聴する若い世代の親たちにとって、そうした描写は「どこか遠い時代のファンタジー」に映るらしい。教員が家庭のプライベートゾーンに無断で踏み込む描写に対して、現代の視聴者は共感よりも強い違和感を抱く傾向にある。
家庭と学校の距離感は、この数十年で確実に変貌した。密接な共同体から、適度な距離を保ったパートナーシップへ。メディアに描かれる学校像の推移は、人々のプライバシー意識の進化を如実に物語っている。