1978年8月25日に通算26枚目のシングルとして世に放たれた本作は、西城秀樹さんのキャリアにおいて明確なターニングポイントとなりました。前年に発表された『ブーツを脱いで朝食を』などで見せ始めた大人の男性像を、決定的な芸術性へと昇華させたのが作曲・編曲を担当した馬飼野康二さんです。
馬飼野康二さんは、西城さんの持つ類まれな声量と声のハスキーな倍音を最大限に生かすため、静けさから始まって怒涛のエモーショナルなクライマックスへと突き抜ける重層的なオーケストラアレンジを構築しました。当時の歌謡曲の枠組みを大きく踏み越えたシンフォニック・ロックとも呼ぶべきスケール感は、スタジオミュージシャンたちによる入念な生演奏によって支えられていました。
その年の『第20回日本レコード大賞』では金賞を受賞し、大賞候補の大本命として審査の場を揺るがしました。また、同年の『第29回NHK紅白歌合戦』でも紅組を圧倒する気迫に満ちた歌唱を披露。アクションや派手なギミックに頼ることなく、直立不動に近い姿勢でマイクを握りしめ、歌声一本で聴衆をねじ伏せる西城秀樹さんの圧倒的な歌唱力は、歌謡界全体の評価を完全に塗り替えたのです。