この激しい顧客争奪戦の背後には、日本を代表するふたりの起業家による遠大な構想が存在する。ソフトバンクグループを率いる孫正義氏は、莫大な資金投下と泥臭い営業網でPayPayを爆発普及させ、圧倒的シェアの確保を優先してきた。対する三木谷浩史氏率いる楽天は、ECや通信、金融サービスをシームレスに繋ぐ「楽天エコシステム」の威力を軸にユーザーの囲い込みを図る。
両者の戦いは単なる決済ツールの普及にとどまらない。融資、投資、保険、購買データの活用に至るまで、次世代のフィンテック産業全体における覇権争いそのものだ。私たちが普段何気なくタップしている決済ボタンは、この巨大な経済圏抗争の最前線に直結している。