日本の公共放送であるNHKも、これまで数多くの歴史ドキュメンタリーで彼の足跡を追ってきた。番組内で紹介される現地の映像には、今なおダムの水を田畑へと引き、豊かな実りに感謝を捧げる台湾の農民たちの姿が映し出される。彼らの手によって美しく保たれた銅像や記念公園は、一人の日本人が現地に遺した恩徳の深さを無言のうちに物語っている。
ドキュメンタリーのカメラが捉えたのは、過去の遺産だけではない。八田の故郷である石川県金沢市と、ダムが所在する台南市との間で続く民間交流や中高生の相互訪問など、未来へ向けた絆の広がりだ。一つの歴史的インフラが、半世紀以上の時を経てなお両国の友情を紡ぎ続けている事実には驚かされる。