事件から30年以上。風化するはずだった。しかし、インターネットはその記憶を冷凍保存し、むしろ培養している。
かつてはアングラサイトの掲示板でひっそりと語り継がれる程度だった。それが今や、TikTokやYouTube Shortsといった超短尺動画プラットフォームの「解説系アカウント」にとって格好のネタと化している。刺激的なサムネイル、機械音声による淡々としたナレーション。これらが若年層のタイムラインに容赦なく流れてくる。
「おすすめ」に表示されたわずか数十秒の動画が、かつての凄惨な事件への入り口となる。スマホの画面をスクロールする。ただそれだけで、深淵が牙を剥く。