彼の名を一躍全国区へと押し上げた最大の転機は、間違いなくコーエーテクモゲームス(旧ガスト)の『ロロナのアトリエ 〜アーランドの錬金術士〜』だろう。光を孕んだかのようなやわらかな色彩と、細部まで計算し尽くされた装飾の描き込み。それまでのゲームイラストの枠組みを塗り替えるような水彩風のアプローチは、多くのファンと業界関係者を驚愕させた。
線の引き方ひとつ、瞳のハイライトひとつにも宿る圧倒的なこだわり。少女たちの可憐さと一瞬の表情を捉える観察眼は、後に続く数多くのキャラクターデザイナーに「メル的」とも言える表現基準を提示することになった。