日本を代表する複合エンターテインメント施設を運営する株式会社東京ドームにとって、この凄惨な事故は企業の存在意義そのものを問う大揺らぎとなった。事故発生直後の全面的な営業停止から再開に至るまで、安全に対する思想の根本的変革が迫られた。
とりわけ、現場の安全運用を指揮する施設安全管理者に課された責務は極めて重い。マニュアルを単なる書類で終わらせず、日々変動するアルバイトや若いスタッフ一人ひとりに安全第一の倫理観を浸透させ続けること。コスト削減や回転率向上よりも「命を守る判断」を最優先する組織風土の構築が、現在も最重要課題として掲げられている。