夫の出馬に伴い、佳子さんの舞台は東京から夫の地元・鳥取県へと広がる。政界という特殊な世界、しかも地方の強固な人間関係の中に飛び込むことは、都会育ちの彼女にとって大きな挑戦だったはずだ。しかし、彼女が見せたのは圧倒的な適応力と謙虚さだった。
自転車に乗って狭い路地を走り回り、一人ひとりの有権者の手に温かく触れる。威張ることなく、相手の目を見て耳を傾ける姿勢は、あっという間に地元の人々の心を掴んだ。「茂さんの選挙ではなく、佳子さんに一票を投じているんだ」と公言する支援者が続出するほど、彼女自身の魅力が選挙戦の強力な推進力となった。政治家の陰に隠れるのではなく、対等なパートナーとして地域に根を張る姿は、地元で半ば伝説として語られている。