岸本加世子のキャリアを語る上で欠かせないのが、北野武監督作品での圧倒的な名演です。
1998年公開の映画『HANA-BI』では、不治の病に侵された主人公(ビートたけし)の妻役を熱演。セリフを極限まで削ぎ落とした静寂の演技が高く評価され、第55回ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞受賞に貢献するとともに、自身も日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞しました。
続く1999年の『菊次郎の夏』では打って変わって明るく人間味あふれる叔母役を好演し、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を獲得。『Dolls』(2002年)や『TAKESHIS'』(2005年)にも起用され、世界のキタノが最も信頼を寄せる唯一無二のミューズとして日本映画史に不朽の足跡を残しました。