投手陣の層の厚さは、もはや「異次元」という言葉すら生ぬるい。一週間に500球という球数制限が導入されて以降、エース一投両断のスタイルは完全に崩壊した。どれほど素晴らしい絶対的エースが一人いたとしても、甲子園の頂点には届かない。この構造的変化に最も早く、かつ苛烈に対応したのが大阪桐蔭だった。
現在のチームには、最速150キロを超える直球を持つ投手が複数名存在し、それぞれが全く異なる球種と投球フォームを武器にしている。先発、中継ぎ、抑えという役割分担がプロ並みの精度で機能しており、相手打線に「慣れ」を与える隙を与えない。投手コーチが弾き出す緻密なデータを基に、相手の打順や試合展開、さらには気温や連戦による疲労度まで計算に入れた継投リレーが完遂される。この継投システムが存在する限り、相手校が5点以上奪って逃げ切るシナリオを描くのは至難の業だ。