いま見返しても息を呑むのが、若き日の片桐はいりが放っていた圧倒的なビジュアルのキレ味だ。トレードマークのシャープなオカッパ頭、すっと伸びた高身長、無駄を削ぎ落としたミニマルなシルエット。その姿はどこか60年代のモッズカルチャーやロンドンのスウィンギング・ロンドンを思わせる洗練に満ちている。
大手芸能事務所「スターダストプロモーション」に所属し、CMや映像の世界へ進出した初期から、彼女の容姿と立ち振る舞いは異彩を放っていた。媚びない視線、幾何学的な美しさを宿す骨格。本人はかつて自身をユーモラスに語ることも多かったが、現代のクリエイターや写真家たちから見れば、まさに時代を先取りしたハイファッションのミューズそのものだった。