ネット上の掲示板やSNSでは、ベンゾピレンの噂に加えて「カビ付けされた鰹節のカビ毒(マイコトキシン)が危険」「粉末が入っただしパックは発がん性物質をそのまま飲んでいるようなもの」といった極端な意見が見受けられますが、これらも科学的な誤解に基づいています。
高級品として知られる「本枯節(ほんかれぶし)」の製造で行われるカビ付けには、何百年もの歴史の中で選別されてきた人体に無害な優良カビ(ユーロチウム属やアスペルギルス属の特定の種菌)が用いられています。アフラトキシンなどの有害なカビ毒を一切生成しないことが厳重に確認・管理されており、発がん性の心配はありません。むしろカビの働きによって脂肪分が分解され、香りと旨味が凝縮される伝統の知恵です。
また、粉末状の鰹節が使われている「だしパック」についても、国内の大手メーカーは原料の安全管理や品質検査を徹底しています。パック内の粉末を丸ごと煮出したとしても、摂取する絶対量はごくわずかであり、健康リスクを裏付ける科学的データは存在しません。