重大な危険を伴うにもかかわらず、なぜ線路内への立ち入りが後を絶たないのでしょうか。鉄道警察隊の対応記録や各社の運行情報データを分析すると、主に5つのパターンが浮き彫りになります。
① 痴漢被害の指摘を受けた者の逃走
駅ホームで痴漢を指摘された容疑者が、駅員や被害者の追及を逃れるためにホーム端から線路へ飛び降り、線路沿いや隣接する道路へ逃走を図るケースです。過密区間では広範囲の路線が一斉に運行停止に追い込まれます。
② 一部の悪質な「撮り鉄」による危険侵入
臨時列車や引退間近の名車を好ポジションで撮影しようと、フェンスを乗り越えたり線路敷地内に三脚を立てたりする行為です。接近する列車の安全を脅かす極めて悪質な侵入として社会問題視されています。
③ スマホやワイヤレスイヤホンなど落とし物の自己回収
「すぐに拾えると思った」という安易な動機で、乗客自らホーム下に降りてしまう事例です。高電圧が流れる第三軌条方式の路線では感電死の危険もあり、発見され次第直ちに防護無線が発報されます。
④ 泥酔者や認知症患者による誤侵入
深夜帯や早朝に多く見られるのが、過度な飲酒によって判断力を失った乗客がホームから転落し、そのまま線路を歩いてしまうトラブルです。踏切から侵入して線路上で寝込んでしまうケースも含まれます。
⑤ 踏切の直前横断・ショートカット目的の横断
遮断機が下りている踏切を無理に押し通ったり、駅構外の敷地を近道代わりに通り抜けようとしたりする行為です。