ラッセン作品の際立った特徴として、その圧倒的な発色と立体感が挙げられる。油彩やアクリル絵の具による原画の美しさは言うまでもないが、版画作品において採用されている「ミクスドメディア・シルクスクリーン」という技術が、彼の表現力を飛躍的に向上させた。
シルクスクリーンの繊細な色重ねにダイアモンドダストや特殊な箔押し、手彩色(手描き補筆)を加えるこの技法は、照明の当たり具合によって絵の表情がガラリと変わるマジックを生み出す。部屋の明かりを落としたとき、作品の中の月光やイルカの背中がまるで自ら発光しているかのように浮かび上がる。この視覚的仕掛けこそが、彼の版画作品がコレクターを長年飽きさせない秘密である。