テレビカメラの前から退いた後も、彼女の知的営為が止まることはなかった。自らが代表を務める国際政治学・シンクタンク「株式会社山猫総合研究所」は、世間の喧騒とは一線を画した場所で、地道な調査と分析を継続してきた。
彼女の知性の背骨を形成しているのは、東京大学公共政策大学院での研究生活と、国際政治理論に根ざした冷徹なリアリズムだ。山猫総合研究所が定期的に発表してきた安全保障や外交、国内政治意識に関するリサーチは、国内外の政策関係者や実務家から依然として高い評価を受け続けている。メディア出演という派手なアウトプットが制限されたことで、皮肉にも彼女は「研究者としての原点」に立ち返る時間を得た。
ウクライナ情勢の長期化、中東の混迷、米中対立の先鋭化——世界が複雑さを増す今だからこそ、感情論を排した冷静な分析の価値が再評価されつつある。