猗窩座は、人を無差別に狩る単なる怪物ではありませんでした。彼の残虐性の裏側には、理不尽に満ちた身分社会で懸命に父を愛し、師を敬い、恋雪との平穏な未来を夢見た一人の青年の搾取と絶望が刻み込まれています。
「弱き者を助ける」と言い遺した煉獄杏寿郎と、「弱者には虫唾が走る」と叫び続けた猗窩座。対極に位置していたはずの二人は、実はともに「大切な者を守りたかった」という同一の純粋な祈りから出発していました。鬼という哀しい呪縛から解き放たれ、恋雪と共に業火の地獄へと歩を進めた狛治の最期を見つめ直すことで、『鬼滅の刃』という大作が描き出した「人間の尊厳と愛の力」の深さを、改めて実感できるはずです。 (出典: 鬼 滅 の 刃 あかざ(Yahoo!ニュース))