激しい雷雨がもたらす害悪は、落雷そのものだけにとどまりません。高圧送電線や変電設備に雷が落ちた場合、系統保護装置が作動することで広範囲にわたる停電情報速報が飛び交う事態に直面します。
特に産業界やオフィスワーカー、在宅リモート勤務者を直撃するのが「瞬時電圧低下(瞬低)」です。停電とまではいかなくとも、1秒未満の瞬間的な電圧降下によってデスクトップパソコンの電源が落ち、未保存の業務データが一瞬で吹き飛ぶ被害が多発します。また、集合住宅の給水ポンプが停止して断水状態に陥ったり、停電によるエレベーター閉じ込め事故が発生したりするケースも後を絶ちません。
さらに帰宅ラッシュ帯を直撃した場合、各鉄道会社の電車遅延と運行状況は深刻を極めます。落雷による信号通信設備の故障、架線の切断、安全確認による運転見合わせが一斉に発生。駅ホームに入場規制がかかり、身動きが取れなくなる帰宅困難者が駅周辺に溢れかえります。雷雲が通過するまでは外に出て無理に代替輸送を探すよりも、頑丈な商業施設等の屋内で運行再開を待つ冷静さが求められます。