経済調査機関である富士経済が発表した最新の市場調査レポートによると、国内マスク市場の出荷金額ベースにおけるシェア構造は、ここ数年で劇的な再編を遂げた。一時期氾濫したノーブランドの輸入不織布製品が急速に市場から退場し、信頼性と技術力を兼ね備えた国内大手メーカーへの回帰が決定的なものとなっている。
シェア首位を堅持するのはユニ・チャーム。市場全体の3割を超える安定した占有率を誇る。これに追随するのが、コストパフォーマンスとデザイン性を両立させたアイリスオーヤマ、そして長年「快適ガード」シリーズなどで固定ファンを掴む白元アースだ。興和の三次元マスクシリーズを含む上位数社で、実に国内市場の6割以上を占める形となっている。
この激変の背景にあるのは、消費者の衛生意識の質的な変化だ。単なるウイルス遮断にとどまらず、長時間の着用による肌荒れ軽減、耳紐の痛みにくさ、息苦しさの解消といった「快適性の追求」が購買の決め手となっている。安売り合戦から付加価値競争へ。市場のルールは完全に塗り替えられた。