『金妻』シリーズが単なる娯楽作にとどまらず名作として語り継がれている最大の理由は、甘美な逃避行を許さないほろ苦くリアルな最終回の結末にあります。
第1シリーズの最終回では、不倫関係が白日の下に晒された後、激しい葛藤の末に元通りの日常へと戻っていく道が描かれます。しかし、一度ヒビの入った夫婦関係や友人関係が完全に元通りになることはなく、登場人物たちは消えない傷を抱えたままそれぞれの人生を歩み直すという、静かで重厚なラストを迎えました。
そして1985年に放送された完結編とも言える『金曜日の妻たちへIII 恋におちて』では、古谷一行と小川知子、篠ひろ子らを迎え、さらに踏み込んだ男女の結末が描かれます。パート3の結末では、燃え上がった情熱の先にある「生活という現実」と「取り返しのつかない喪失感」が生々しく提示され、後味の良さだけではない深い余韻を視聴者に残しました。