風速80メートル以上の暴風や、過去に例を見ない大地震に耐え抜くタワーの骨格。それを具現化したのが、設計を手掛けた株式会社日建設計と、施工を一手に担った株式会社大林組による世界最先端の建築構造工学だ。
最大の技術的ハイライトは、日本の伝統建築である五重塔の耐震原理を現代工学へと昇華させた「心柱制振(しんばしらせいしん)」システムにある。タワー中央に独立して設置された鉄筋コンクリート造の円筒(心柱)と外周部の鉄骨トラス構造を、オイルダンパーを介して連結。地震発生時には外周部と心柱が異なる周期で揺れ合うことで、建物全体の揺れを最大約50パーセントも低減させる。
さらに、最頂部のゲイン塔を地上で組み立ててから押し上げる「リフトアップ工法」は、大林組の施工技術の結晶だった。狭隘な頂部空間で重機を使わずに巨大アンテナ塔をミリ単位の精度で押し上げたこの技術は、世界の超高層建築史における金字塔として今なお語り継がれている。