孤立する高齢者の現実は、メディアや映画作品を通じても広く社会に突きつけられてきた。NHKスペシャル『老人漂流社会』は、過疎化や核家族化の中で居場所を失い、社会から置き去りにされる老後の姿をリアルに描き出し、大きな反響を呼んだ社会問題ドキュメンタリーだ。同番組は現在もNHKオンデマンドで配信されており、高齢化社会の陰影を考えるうえでの重要な指標となっている。
また、倍賞千恵子主演の映画『PLAN 75』は、75歳以上の高齢者に自死の選択権を与える制度という架空の試みを通じて、現代社会が抱える冷淡さと高齢者の居場所のなさを強烈に描いた。Netflixをはじめとするストリーミングサービスで視聴が広がった本作は、若い世代と高齢世代の断絶を浮き彫りにし、単なる映画の枠を超えた社会的議論を起こしている。スクリーンに映し出される孤立は、私たちの居住空間のすぐ隣で起きている問題と地続きなのだ。