SNSや動画サイトの台頭によって手芸の手順は格段に見やすくなりましたが、同時に現場ではある種の「落とし穴」が指摘されています。それが「動画の真似だけで編めるようになった気になってしまう現象」です。動画は手元の動きを真似るには優れていますが、全体構造を俯瞰する力が育ちにくいため、少し目数が狂っただけで自力修正ができなくなります。
また、「編み図通りに編んでいるのに、指定のサイズにならない」という悩みも典型的な誤解から生じています。毛糸のラベルに記載されている標準ゲージは、あくまでメーカーの基準張力で編んだ数値です。実際には、編み手の力加減(テンション)によって仕上がり寸法は20%以上前後します。編み図は「絶対的な寸法指示書」ではなく、「目と段の比率を示した設計図」であると理解することが、不必要なサイズ違いの失望を避けるための必須知識です。