必殺シリーズの真骨頂といえば、闇に紛れて悪を断つ仕事人たちの華麗かつ凄惨な「殺し技」です。『必殺仕事人V』では、視覚的快感とリアリズムが極限まで追求されました。
中村主水(藤田まこと)の武器は、使い古された同心の大刀。奥山神影流免許皆伝の腕前を持ち、不意打ちや刃を交わす一瞬の居合い斬りで悪人を一刀両断します。派手な仕掛けを持たないからこそ、主水の圧倒的な剣技と凄みが際立ちます。
組紐屋の竜(京本政樹)は、鈴付きの美しい飾り組紐を使用。紐の先端についた輪を相手の首へ飛ばして巻き付け、宙へ吊り上げて喉骨をへし折る技は、必殺シリーズ屈指の美しさと恐ろしさを誇ります。
花屋の政(村上弘明)は、季節の花の茎に仕込んだ鋭利な針や、折鶴の嘴に仕込んだ針で相手の急所(延髄や首筋)を刺突。花を愛でる優しげな仕草から一転して必殺の武器へと変える鮮やかさが視聴者を魅了しました。
さらに、三味線のバチや糸で相手の息の根を止めるおりく(山田五十鈴)の重厚な存在感、前作から成長し受験生から歯科医の卵となった西順之助(ひかる一平)が操る大型の投石器(ピラニア・パワーやエレキテルなどの近代兵器ギミック)が加わり、歴代でも最もバラエティに富んだ戦闘シーンが展開されました。