設計を進めるうえで避けて通れないのが、建築基準法(第2条第1項第2号)における建築面積と軒の出の関係です。都市部の住宅密集地など、建ぺい率の制限が厳しい敷地では、軒を伸ばしすぎると法定制限をオーバーしてしまう懸念がつきまといます。
基本的な法的ルールとして、外壁や柱の中心線から突き出した軒や庇の長さが「1m以下」であれば、その部分は建築面積に算入されません。つまり、柱芯から90cm〜100cm(実質的な壁面からの出幅で約80〜90cm程度)までは、建ぺい率を一切圧迫することなく軒を伸ばすことが可能です。
万が一、柱芯から1mを超えて軒を跳ね出す設計にする場合(例:1.5mの深いバルコニー下や大屋根)、「先端から1m後退した線」までの部分が建築面積に加算されます。敷地面積が小さく建ぺい率上限(50〜60%など)に余裕がないケースでは、この「1mの壁」をミリ単位で計算しながら構造計画を立てることが建築士の腕の見せ所となります。