この騒動の中で、ネット上では一部の誤認やデマも散見されました。その代表例が「なぜ補欠選手(杉原愛子選手ら)を急遽繰り上げ出場させられなかったのか」という疑問です。
当時、ネット上では「協会の手続きミスで補欠が出られなくなった」「意地悪で枠を空けたままにした」といった批判的な憶測が飛び交いました。しかし、これは国際オリンピック委員会(IOC)および国際体操連盟(FIG)が定める厳格なレギュレーションによるものでした。
五輪の公式エントリー締め切り(アクレディテーション完了)以降の選手入れ替えは、「大会指定ドクターが認めた深刻な怪我や急病(Late Athlete Replacement)」に限定されています。今回のような規律違反や個人的理由による代表辞退の場合、補欠選手の追加登録は規程上一切認められていなかったのです。
結果として、体操女子日本代表は5人枠のところを4名のみで戦うというハンディキャップを背負うことになりました。残された4選手(岸里奈、岡村真、中村遥香、牛奥小羽)が団結し、決勝で堂々たる演技を披露して入賞を果たした姿は日本中に感動を与えましたが、その裏には国際ルールの壁と組織管理の難しさが潜んでいました。