悲劇から2年が経ち、JRAもようやく重い腰を上げた。競馬場やトレセンへのセキュリティ体制は大幅に強化され、関係者以外の車両侵入を防ぐ物理的な障壁が各所に設置された。しかし、最も大きな変化は「通信機器の取り扱い」と「若手教育」の分野だろう。
当時問題視されていた調整ルーム内でのスマートフォン使用問題を含め、JRAは騎手のモラル向上と外部との遮断ルールを厳格化した。同時に、臨床心理士による定期的なカウンセリング制度を導入し、若手騎手が孤立しないためのサポート体制を構築した。遅きに失した感は否めないが、これらの改革は彼の犠牲なしには進まなかったのも事実である。