「would like toを使っているのだから失礼なはずがない」という思い込みこそ、グローバルなビジネスシーンで最も危険なトラップです。特に日系企業の担当者がやりがちな致命的ミスが、相手にアクションを促す際の「I would like you to...」という構文です。
このフレーズは文法上「私はあなたに〜してもらいたい」という意味になりますが、相手に対して「私の個人的な望みを叶えなさい」と要求している構図になります。つまり、上司が部下にタスクを割り振る際には成立しても、対等なビジネスパートナーや顧客、上司に対して使うと、「慇懃無礼な命令・指図」として伝わってしまうのです。
外資系IT企業や商社で飛び交う「would like to ビジネス」の実例を見ても、相手への依頼文で「I would like you to send the file.」と書くネイティブスピーカーはまずいません。「英語 丁寧な依頼 表現」として相手にボールを投げる場合は、相手の行動可能性を尋ねる「Could you please...?」や、条件節を用いた「We would appreciate it if you could...」を使うのがビジネス英語 ニュアンスにおける世界標準のマナーです。
なお、書き言葉の「would like to メール」においては、「would like to 短縮形」の扱いにも配慮が求められます。親しい社内チャット(SlackやTeams)であれば「I'd like to」で全く問題ありませんが、格式を重んじる初回アプローチや謝罪、契約交渉の文面では、短縮せずに「I would like to」と完全形で表記するほうがフォーマルな敬意を正しく伝達できます。