スイッチを押しても反応がない場合、機器内部の基板故障を疑う前に、物理的な接触や消耗品の状態を点検する必要があります。特に見落としがちなのがコンロ電池交換のやり方と、バーナー周辺の日常的な汚れやズレです。
コンロの火花(スパーク)を飛ばし、安全装置の電磁弁を保持しているのは、操作パネル裏や前面下部にある乾電池です。多くの機種では単1形アルカリ乾電池が2本使用されていますが、残量が低下すると「火花を飛ばすパワーが落ちる」「安全装置が誤作動してガスを遮断する」といった挙動を示します。新品の電池を入れたつもりでも、「マンガン乾電池を使っている」「プラスとマイナスの向きが逆」「長期間保管による自然放電」が原因で作動しないケースが頻発しています。必ず新品の単1形アルカリ乾電池を使用し、向きを再確認してください。
続いて確認すべき盲点が、バーナーキャップのズレ水濡れです。調理後の吹きこぼれを拭き取った後や、五徳を掃除した直後、バーナーキャップがわずか1ミリでも斜めに浮いていると、点火プラグから飛ぶ火花が正しい位置に届かず、混合ガスに引火しません。また、水洗いや煮こぼれでバーナーの溝(スリット)が濡れていると、ガスが均一に噴出せず点火に失敗します。一度パーツを取り外し、完全に乾燥させてから刻印(「奥」や突起マーク)の位置を合わせて水平にセットし直すだけで、あっけなく火がつく事例は後を絶ちません。