健康食品を取り巻く国内の空気は、数年前の健康被害問題を契機に一変した。機能性表示食品制度の見直しが進み、成分のトレーサビリティや製造管理に対する監視の目はかつてなく厳しくなっている。だが、制度がどれほど整おうとも、個人の手元にある「組み合わせ」まで国が管理することは不可能だ。
さらに問題を複雑にしているのが、越境ECサイトの普及である。海外から個人輸入されるサプリメントは、日本の安全基準を遥かに超える超高用量成分を含んでいることが珍しくない。欧米人の体格を基準に作られた1粒には、日本人の1日摂取上限の数倍に達するビタミンやミネラルが凝縮されている。
国内法が届かない場所から手に入れた高濃度カプセルと、日本の処方薬。この2つが出会ったときの安全性データなど、世界のどこにも存在しない。自己責任という言葉の重みを、ボトルを開ける前に今一度噛み締める必要がある。