人命が失われる事故が起きた際、法的な責任や補償はどうなっているのかという点も、外部から強い関心が寄せられる部分です。
御柱祭の運行は、諏訪大社そのものだけでなく、各地区の氏子で組織される「御柱祭観光協会」や「御柱祭実行委員会」「大総代会」などの自主組織によって担われています。伝統行事における事故では、参加者が「危険性をあらかじめ承知の上で自発的に参加している(危険の引き受け)」とみなされる側面が強く、一般的なイベント事故のような主催者側の業務上過失責任を問うことが法的に極めて難しいという特殊性があります。
ただし、過去の重大事故では警察による実況見分や関係者への事情聴取が行われ、安全管理体制の不備がなかったかどうかの捜査が入った事例もあります。特に建御柱のワイヤー破断事故などでは、道具の選定や点検プロセスの過失が焦点となりました。
補償面においては、氏子組織や実行委員会によって大規模な傷害保険や損害賠償責任保険が掛けられています。参加する氏子や関係者、観客の万一の事故に備えた保険金給付の枠組みは整備されているものの、金銭的な補償だけで失われた命や後遺障害の痛みが埋まるわけではなく、常に安全管理のあり方が問われ続けています。